2011年5月15日日曜日

ヘンリー・ダーガー展

 ヘンリー・ダーガー。
この人は精神障害があるとかでアウトサイダーアートとか言われてるようだが、絵を描いてる(趣味ではない)人にインサイドもアウトサイドない。しいて言うならばワイルドサイドではないか。絵を生業としてる、没後認められるなど境遇は様々だが、絵を描かずにはいられない、抑えきれない衝動や、ほとばしる魂の力が未開の天地を拓き、高みに到達できる。その画面からにじみ出る生き様が観るものを魅了するんだと思う。ヘンリー・ダーガーさんの永遠のテーマは女の子、しかも幼女と言い切ってもいいだろう。かわいい女の子が描きたくてたまらなかったのだろう。もっと言えば、描くことによって、わが手中におさめたかったのしれない。コレクションや奴隷のように。

 ダーガーの世界を観ていて、頭にうかんだ作家がいる。田中達之さん、楳図かずおさん、諸星大二郎さん、草間彌生さんである。アーティストやクリエイターに誰それに似てるなんていうのは失礼極まりないけど、おそらく視線の先にある観ているものが一緒なのかもしれない。
> 生と死のコントラストが強い。そして、すぐそばに存在している。画面の中には生々しさはあるが、どこか箱庭的。それはすごく冷徹な目で捉えている感じ。

 非現実の王国では戦争が起きている。侵略者(おとなの男)に立ち向かう少女(ヴィヴィアンガール)。勝つ部隊もあれば捕まる部隊もある。捕まったら捕虜にはならず、殴打、絞首、磔、内臓もさらされる辱めを受ける。弱者に対して圧倒的な強者の力がある。そんな凄惨な描写なのに、どこかスコンと抜けてカラッとしている。でも現実の戦争で、前線で殺しあってる環境も同じで、たんたんとしているのかもしれない。
 
 女の子にちんちんがついてんだよなぁ。不思議だった。意味はない、たんなる気まぐれかもしれない。でも僕は、ひょっとして、女の子の裸を見たことがないのではないか…そんな風に感じた。男も女もみんなちんちんがついてると想ってたのでは。というのも、ついてない女の子の裸の絵は、腕や脚はぐいぐい描かれてるのに、股の部分は線が消えていってるような、描きたいけど描けない、そんなためらいの余白に思えてしまった。

 ちなみに、これは何年か前の映画のための予告。フラッシュアニメになってるけど、実際はこんなじゃありません。念のため。

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