週末に三連休をとったけど、急ぎの仕事が入るような可能性もある。休みをずらしてもらうかも…親方がそんなことをいきなり言い出したので、急遽、阿修羅展を観に行くことにした。
会期は6月まであるので、そんなに慌てなくても…と思われそうだが、八部衆像と十大弟子像の一部が4月19日までの展示。しかも史上初めて東京に勢揃いしてたとのこと。それはこの期間に観ねばなるまい、といそいそと身支度を始める。リュックにお弁当とお茶をつめて、意気揚々と家を出た。
自転車で東京国立博物館に行くのは今日で二度目。前回は、日光月光菩薩を観に行った。およそ一年前だが、非常に疲れた印象がある。帰りの途中、ヘルメットをきつくしめ過ぎたのと、慣れないサングラスの両方から、こめかみ辺りを押さえられてるせいで、頭痛も出てきて、挙げ句に雨まで降る始末。
今回は初めての道のりでもない、天気も終日晴れの予報、何より平日の昼間、博物館は混まないだろう。憂うつな要素が思い浮かばない。
時間は11時15分。小腹が空いてきたので、コンビニでスポーツ飲料とブリトーを買い、その場で食べて、いざ出発。
事前に決めたルートは、井の頭通り→五日市街道→青梅街道→中野通り→大久保通り→外堀通り→中央通り→上野駅→国立博物館。予想タイムは1時間30分。広すぎても怖いけど、狭い道を選んでない。
実際走り出すと、車もそれほど多くなくて走りやすい。中野通りに入った辺りで、念のためにルートを再確認しようとリュックを探った時、地図を忘れたのに気がついた。まー、ほとんど道なりの一本道だし大丈夫だろうと進んでいくと、予定外の新青梅街道に出た。
早速間違えた。新青梅からも行けないこともないが、当てずっぽうで行って神経と体力を無駄に使いたくないので、コンビニで地図を立ち読みする事に。
目白通りを行くと、飯田橋の外堀、中央通りへ行けそうだ。気持ちを切りかえて進んでいくと、見覚えのある景色。以前仕事でこの道を通ってる。なんか、知ってるせいか、妙な安心感がわいてきた。
ニ叉路。地図ではここをチェックしてなかった。丁度、交番があるので道を聴くことにした。
「上野の国立博物館を目指してるんですが」
「あ。それならいい道を教えます。コッチを突き当たりまで行くと護国寺があります。不忍通りになりますから、それをそのまま右に行くと上野公園の上の方に出ますから、博物館は近いですよ」
「ありがとうございます」
んー、そっか。わりといい感じに行けそうだ。なんて思ったのも束の間。アップダウンが多い。だらだら続く登りも嫌だが、短くても勾配が厳しいのも辛い。帰り、この道は使わないと固く決意。
いくつかの坂をやり過ごし、ようやく平坦になったのはいいが、あれからかなり来たような感覚があるが、一向に近づいてる気がしないし、標識にも文字が出てこない。しかし、お巡りさんに聴いた道だ。どうなんやろ。コンビニも本屋もない。かなり不安になった頃、目の前を走るバスの行き先が、上野松坂屋前とある。「あ、あってる。もうすぐかも」と、思ってからも長かった。
ようやく公園の緑、池が見えた時はほっと一安心だった。時間を見ると1時20分。1時間50分かかった。まぁ、迷いながらやしこんなもんか、と木陰で弁当を食べながら、汗が引くのを待つ。
「うわ。めっちゃ並んでるやん」
一瞬驚いたが、平日でこれでは週末はどうなんの!?今日来てよかったと思い直す。
興福寺創建1300年記念、だそう。水晶や、銀の匙や椀の展示物もきれいなんだが、阿修羅像に気持ちがいってるので、いつも以上に足早に展示室を移動する。
国宝の八部衆像と、国宝の十大弟子像が並べられた、ひときわ広い展示室。十大弟子の顔立ちも少年から壮年まで様々。また、表情も優しさのなかに厳しさ、険しさがあり、たたずまいに気高さを感じた。
八部衆像。まじまじと観るのは初めて。あどけなさが残る顔立ちに驚いた。激昂しているもの、静かに瞑想しているもの。十大弟子もそうだが、個性…性格が顕れている。素晴らしい。
阿修羅像の展示室。日光・月光菩薩を観た場所だ。ここは入ると、まずバルコニーのような中二階になってる。わりとゆったり全身が拝見出来る場所。なぜだか鼻の奥がじんとしてしまう。
細い。華奢。美少年。とても破壊を好む神とされる容姿にはみえない。僕自身、楽しみながら破壊をする神とは思っていなかった。この憂いを帯びた表情…哀しみの気持ちを持ちながら、やむなく破壊をしてきた神だと思っている。
間近に観るために下に降りる。阿修羅像は三面六臂である。当たり前だが正面以外にも左右に表情がある。こちらも初めて拝見したが、三面ともそれぞれの想いの表情があり、憂い、哀しみをおびているのに驚かされた。特に向かって左の表情、下唇をかみしめていたのにびっくり。少年のようにみえる、その瞳の奥には何が映るのか。どれだけの哀しみを観てきたのか。
このあと、圧倒的な四天王や菩薩立像もあったけど、阿修羅で満足でした。
足こそつらなかったが、よく帰ってこれたと思う。小さめのサロンパスを片足に7枚、計14枚貼って寝るも、全然疲労がとれていない。
朝、会社まで自転車をこぐのがしんどかった。やっぱり筋トレしないとダメだ。
もう一回観に行きます。


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